確認済2026.10.24
給料日の数日前。口座の残高を見て、あと3万円あればと思う。
大きな額ではありません。けれど、毎月となると話は別です。本業を辞めるつもりはない。残業を増やすのも違う。だったら、空いた時間で少しだけ——そう考えて「副業」と検索すると、出てくるのは「スマホで簡単」「誰でも稼げる」の文字ばかり。
この記事は、そういう話をしません。
月3万円を作るのに、何時間かかるのか。いくら引かれるのか。税金はどうなるのか。会社との関係で気をつけることは何か。公式の情報を照らし合わせて、働き方ごとの条件の違いを整理しました。どれが正解かは、あなたの空き時間と得意なことで変わります。
月3万円は「時間の使い方」で決まる
3万円を時給に直すと、見え方が変わります。
| 時給(手取り) | 月3万円に必要な時間 | 1週あたりの目安 |
|---|---|---|
| 1,000円 | 30時間 | 約7時間 |
| 1,200円 | 25時間 | 約6時間 |
| 1,500円 | 20時間 | 約5時間 |
※単純な計算例です。手数料や税金を引く前の「手取りの時給」で考えています。
週に5〜7時間。平日の夜に1時間ずつなのか、土曜にまとめて半日なのか。この時間の取り方で、向いている働き方が分かれます。まず自分の1週間を思い浮かべてから、先へ進んでください。
始める前に確かめたい3つのこと
1. 会社の就業規則
いちばん先に見るのは、自分の会社の就業規則です。
副業が禁止なのか、届け出をすれば認められるのか、まったく自由なのか。会社によって違います。厚生労働省は2018年1月に「モデル就業規則」を改定し、「許可なく他の会社等の業務に従事しないこと」という規定を削除しました。とはいえ、これはあくまでひな形。実際のルールを決めるのは、あなたの会社の規則です。
2. 雇われて働く副業は、本業と労働時間が合算される
労働時間の通算
アルバイトやパートのように雇用契約を結んで働く副業は、本業と副業の労働時間が通算されます(労働基準法第38条。厚生労働省「副業・兼業の促進に関するガイドライン」)。
つまり、本業で毎日8時間働いている人が、別の会社で雇われて働くと、その時間は法定労働時間を超えた扱いになりえます。会社に副業の内容を届け出る仕組みがあるのは、このためでもあります。
一方、業務委託(クラウドソーシングやスキル販売など)は雇用ではないため、この通算の対象にはなりません。
3. 月3万円=年36万円。税金の申告に関わってくる
3万円×12か月で36万円。ここで出てくるのが、いわゆる「20万円ライン」です。詳しくは後半の章で整理しますが、月3万円を1年続けるなら、申告が必要になる可能性が高いと考えておいたほうが安全でしょう。
働き方5つを比べる
| 働き方 | お金の種類 | 引かれるもの | 最初の入金までの早さ | 向いている時間の取り方 |
|---|---|---|---|---|
| スキマバイト | 給与 | 源泉徴収(金額による) | 早い | 休日にまとめて |
| クラウドソーシング | 業務委託の報酬 | システム手数料・振込手数料 | 遅め(最初の受注まで時間がかかる) | 平日の夜に少しずつ |
| スキル販売 | 業務委託の報酬 | 販売手数料・振込手数料 | 遅め | 平日の夜に少しずつ |
| 家事代行スタッフ | 業務委託の報酬 | 会社による | 中くらい | 休日に数時間 |
| 在宅パート | 給与 | 源泉徴収 | 中くらい | 曜日と時間を決めて |
スキマバイト|休日に働けて、入金が早い
数時間単位で、アプリから仕事を探して応募する働き方です。倉庫の仕分け、イベント設営、飲食店の補助など、職種は幅広め。
よいところは、スキルがなくても始めやすく、入金が早いこと。たとえばフルキャスト(アプリは「キャストポータル」)は、登録料が無料。働いた分の一部を前払いで受け取れる「即払いサービス」もあり、申請から数分〜1時間ほどで口座に振り込まれると案内しています(フルキャスト「よくあるご質問」)。
ただし、即払いで受け取れるのは働いた分の全額ではありません。税金や保険料を差し引いた想定額の範囲までです。また、即払いを使うと手数料がかかる場合がありますが、FAQには金額の記載が見つかりませんでした。使う前に、アプリや担当窓口で確かめておくと安心です。
気をつけたいところは2つ。ひとつは、給与なので本業と労働時間が通算されること。もうひとつは、体を動かす仕事が多く、平日の夜には入れにくいことです。
クラウドソーシング|家でできるが、最初の数件までが遠い
ネット上で仕事を受けて、納品する働き方。ライティング、データ入力、画像の加工などがあります。
よいところは、場所と時間を選ばないこと。子どもが寝たあとの1時間でも作業できます。
気をつけたいところは、最初の受注までに時間がかかりやすいこと。実績のない人は、単価の低い仕事から始めることになりがちです。それから、報酬からシステム手数料が引かれます。率はサービスごとに違うので、登録前に公式の手数料ページを見ておいてください。
| サービス | システム手数料(ワーカー側・税込) | 1万円の仕事を納品したとき |
|---|---|---|
| クラウディア | 5万円以下の部分15%/5万円超〜10万円の部分10%/10万円超〜100万円の部分5%/100万円超の部分3%(時間制は一律10%) | 1,500円 |
| ランサーズ | 一律16.5% | 1,650円 |
| クラウドワークス | 10万円以下の部分20%/10万円超〜20万円の部分10%/20万円超の部分5%(タスク形式は20%) | 2,000円 |
※2026年10月24日時点の各社公式ページの記載です。このほか、報酬を出金するときに振込手数料がかかります(クラウドワークスは楽天銀行100円・他行500円)。
月3万円くらいの規模なら、どこも一番上の段の率がかかります。同じ1万円の仕事でも、手元に残る額は500円違う。小さな差に見えて、1年続けると無視できない金額です。
スキル販売|得意なことを、自分で値段をつけて売る
イラスト、ロゴ、文章の添削、相談相手。自分のスキルを「商品」として出品する働き方です。代表的なのがココナラ。
よいところは、値段と内容を自分で決められること。本業の経験がそのまま売り物になる人もいます。
販売手数料
気をつけたいところは、販売手数料。ココナラの公式ヘルプによると、出品者の販売手数料は22%(税込)、ビデオチャットは27.5%(税込)です(2026年10月24日時点)。3,000円で売れたら、手元に残るのは2,340円。値段を決めるときは、この差し引きを先に計算しておきたいところです。
家事代行スタッフ|家事の経験が、そのまま仕事になる
依頼者の家に伺って、掃除や料理をする仕事です。家事代行サービスのCaSy(カジー)は、スタッフを「キャスト」として募集しています。
よいところは、ふだんの家事がそのまま仕事になること。時給は地域によって違うので、応募する前に、自分の住むエリアの募集条件を確かめてください。
気をつけたいところは、働けるのがサービスの提供エリア内に限られること。そして、契約が雇用ではなく業務委託であることです。業務委託なら、自分で確定申告をする前提で考えておきましょう。
在宅パート|曜日と時間を決めて働きたい人に
在宅でできる事務やサポート業務を、パートとして請け負う働き方です。ママワークスのように、在宅や時短の求人を集めた求人サイトから探せます。
よいところは、時間が決まっていて予定を立てやすいこと。給与なので、収入の見通しも立てやすくなります。
気をつけたいところは、平日の日中に働く求人が多く、会社員の副業としては時間が合いにくいこと。雇用なので、スキマバイトと同じく労働時間の通算も関わります。
在宅で作業する時間が増えるなら、椅子の見直しも効いてきます。在宅ワーク用の椅子の記事もあわせてどうぞ。
税金:20万円ラインの考え方
ここからは国税庁の案内(タックスアンサー No.1900「給与所得者で確定申告が必要な人」)をもとに整理します。細かい判断は、住んでいる地域の税務署や市区町村に確認してください。
業務委託の副業は「所得」で判定する
会社員(給与を1か所から受け取っている人)は、給与以外の所得の合計が20万円を超えると、確定申告が必要です。
ここでいう「所得」は、売上から経費を引いた金額。クラウドソーシングやココナラなら、受け取った報酬から、仕事に使ったお金を差し引いたものになります。
アルバイトを掛け持ちすると、判定の基準が変わる
スキマバイトや在宅パートのように、2か所以上から給与を受け取る場合は、少し事情が異なるのです。
国税庁の案内では、「年末調整されなかった給与の収入金額」と「給与以外の所得」の合計が20万円を超えると、確定申告が必要になるとされています。注目したいのは、給与のほうは経費を引く前の収入で見ること。業務委託とは物差しが違うわけです。
20万円以下でも、住民税の申告は要る
住民税の申告
20万円以下なら所得税の確定申告が要らない場合でも、住民税の申告は別に必要になります。手続きは住んでいる市区町村ごとに案内されているので、住んでいる自治体のサイトで「住民税 申告」と探してみてください。
向いている人・向かない人
| 働き方 | 向いている人 | 向かない人 |
|---|---|---|
| スキマバイト | 休日に体を動かせる/早くお金がほしい | 本業がすでに長時間労働 |
| クラウドソーシング | 平日の夜に家で作業したい/文章や作業が苦にならない | すぐに収入がほしい |
| スキル販売 | 人に頼まれる得意なことがある | 値段を自分で決めるのが苦手 |
| 家事代行スタッフ | 家事が得意/休日に数時間あいている | 提供エリア外に住んでいる |
| 在宅パート | 曜日と時間を固定できる | 平日の日中に時間がとれない |
まとめ:月3万円の前に、「週に何時間あるか」を数える
月3万円は、週に5〜7時間の仕事に当たります。
休日にまとめて動けるならスキマバイトや家事代行。平日の夜に家でコツコツなら、クラウドソーシングかスキル販売。曜日を決められるなら在宅パート。始める前に、会社の就業規則と、年36万円になったときの税金の扱いを確かめておく。順番としては、これで十分です。
「楽に稼ぐ」方法は、この記事にはありません。そのかわり、始めてから「こんなはずじゃなかった」とならないための条件は、ひととおり並べました。
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